土地の価値や地域の値動きを知る最初の手がかりは、公的に公表されている地価です。いずれもインターネットで無料で調べられますが、目的も時点も異なり、そのまま「この土地の売値」になるわけではありません。
主な公的資料の違い
| 資料 | 公表する機関 | 価格の時点 | 主な目的・性格 |
|---|---|---|---|
| 地価公示(公示地価) | 国土交通省 土地鑑定委員会 | 毎年1月1日 | 標準地の「正常な価格」。一般の土地取引の指標、公共用地の取得価格の基準など |
| 都道府県地価調査(基準地価) | 都道府県知事 | 毎年7月1日 | 基準地の「正常な価格」。地価公示を補完し、半年ずれた時点の動きが分かる |
| 路線価 | 国税庁 | 毎年1月1日 | 相続税・贈与税の土地評価のための価格。地価公示価格などを基にした時価の80%程度を目途に評価 |
| 不動産取引価格情報 | 国土交通省 | 取引の時期ごと | 実際に行われた取引をアンケートで集めた事例 |
| 成約価格情報 | 国土交通省(指定流通機構のデータ) | 成約の時期ごと | 指定流通機構が持つ成約データを公表したもの |
固定資産税評価額を含めた「4つの価格」の関係は、「土地の「4つの価格」」で詳しく解説しています。
公示地価・基準地価の調べ方
地価公示と都道府県地価調査の個別の地点は、国土交通省の不動産情報ライブラリで地図上に表示して確認できます。
- 不動産情報ライブラリを開き、「地図から探す」または「地域から探す」を選ぶ
- 地価公示・地価調査の地点を表示し、調べたい土地の近くの地点を選ぶ
- 地点ごとの価格(1㎡あたり)と、所在地、用途地域、前面道路などの条件を確認する。同じ地点の過去の年の価格もあわせて見る
地点の条件(駅からの距離、道路の幅、土地の形や広さ、用途地域)が自分の土地とどれだけ近いかを見ることが大切です。
路線価の調べ方
路線価は、国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」のウェブサイトで調べられます。
- 年分を選ぶ(過去の年分も掲載されています)
- 都道府県を選び、市区町村・地域の路線価図を開く
- 土地が面している道路に記載された数字(1㎡あたりの価格)と、借地権割合の記号を確認する(表示の単位や記号の意味は「路線価図の説明」で確認できます)
路線価が定められていない地域は倍率地域で、固定資産税評価額に地域ごとの倍率を掛けて評価します。相続税の申告に使う場合は、正誤表も必ず確認してください。
不動産情報ライブラリで取引価格を見る
不動産情報ライブラリでは、実際の取引事例を地域・時期・種類(土地、土地と建物、中古マンションなど)を絞って検索でき、データのダウンロードもできます。防災情報や都市計画情報も同じ地図上で重ねて見られるため、土地の条件を確かめる道具としても便利です。
調べるときは、期間を直近に区切り、種類をそろえ(更地なら「土地」の事例。建物付きの取引は建物の価値を含みます)、面積・形状・前面道路・駅距離が近い事例を選び、一つの事例ではなく複数の事例の幅で捉えます。
読み方の注意点
- 時点のずれ:公示地価・路線価は1月1日、基準地価は7月1日時点です。公表から時間がたつほど、足元の市況とずれます
- 個別性:公的な地価は標準的な条件の地点の価格です。実際の土地は、形・接道・高低差・地中の状況・法令上の制限で評価が変わります
- 取引事例の事情:取引価格情報は、売り急ぎ、隣地の買い増し、親族間の売買など、個別の事情を含んでいる可能性があります
- 傾向で使う:一時点の価格よりも、同じ地点の数年分の変動の向きを見るほうが、地域の動きをつかみやすくなります
公的な資料で目安をつかんだうえで、実際の売却価格を考えるときは、個別の条件を織り込んだ査定が必要です(「売却査定の3つの方法と、査定書の読み方」)。
当社では、公的な地価や取引事例を整理したうえで、土地の個別の条件を踏まえた価格の考え方をご説明しています。
相続税評価の個別判断は税理士に、不動産の鑑定評価は不動産鑑定士にご確認ください。

