住まいを買うときに、親や祖父母から資金の援助を受けるご家庭は少なくありません。通常、年110万円を超える贈与には贈与税がかかりますが、住宅の新築・取得・増改築のための資金であれば、一定額まで贈与税が非課税になる特例があります。ただし、この特例には適用期限があり、受け取る人・住宅・時期・申告のそれぞれに要件があります。資金を受け取る前に確認しておくことが大切です。
適用期限(2026年10月時点)
- 対象は、2024年1月1日から2026年12月31日までに受けた贈与です(国税庁タックスアンサー、令和8年4月1日現在の法令による)。
- 2026年10月時点では、2027年以降の延長は決まっていません。関係省庁から令和9年度税制改正の要望として「所要の措置」が求められている段階で、延長の有無や内容は、今後の税制改正の結果によります。
2027年以降に資金援助を受ける予定がある場合は、その時点の制度を確認してから進めてください。
非課税になる限度額
受け取る人1人あたり、次の金額までが非課税です。
| 住宅の種類 | 非課税限度額 |
|---|---|
| 省エネ等住宅 | 1,000万円 |
| 上記以外の住宅 | 500万円 |
省エネ等住宅とは、省エネ性能、耐震性能、バリアフリー性能のいずれかについて一定の基準を満たす住宅です。たとえば新築の場合、断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上、耐震等級2以上(または免震建築物)、高齢者等配慮対策等級3以上のいずれかに適合することが求められ、証明書類の添付が必要です。中古住宅は基準が異なります。
過去にこの特例の適用を受けたことがある場合は、その分を差し引いた残りが限度額になります。
受け取る人(受贈者)の要件
- 贈与する人の直系卑属(子・孫)であること。配偶者の父母からの贈与は、養子縁組をしていない限り対象外
- 贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上
- 贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下(床面積40㎡以上50㎡未満の住宅は1,000万円以下)
- 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、資金の全額を充てて住宅を新築・取得・増改築すること
- 翌年3月15日までにその住宅に住む、または同日後遅滞なく住むことが確実と見込まれること
夫婦で購入する場合、夫の親からの援助は夫が、妻の親からの援助は妻が受け取る形にすると、それぞれが特例の対象になり得ます。持分の登記と資金の出どころを一致させることも重要です。
住宅の要件
- 登記簿上の床面積(マンションは専有部分)が40㎡以上240㎡以下
- 床面積の2分の1以上が受贈者の居住用
- 中古住宅は、1982年(昭和57年)1月1日以後に建築されたもの、または耐震基準に適合することが証明されたもの(取得後に耐震改修をして基準を満たす場合を含む)
マンションの床面積は、広告の面積(壁芯)ではなく、登記簿上の面積(内法)で判定します。広告で40㎡台前半の物件は、登記面積が40㎡を下回ることがあるため、契約前に確認が必要です。
申告を忘れない
- 非課税の範囲内で贈与税がゼロになる場合でも、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに贈与税の申告が必要です。
- 申告書に特例の適用を受ける旨を記載し、戸籍謄本、売買契約書・請負契約書の写し、登記事項証明書などを添付します。
- 申告しなかった場合、特例は使えません。
押さえておきたいその他の点
- この特例で非課税になった金額は、贈与者が亡くなったときに相続税の課税価格に加算する必要がありません。暦年贈与の加算期間が長くなった現在、この点は特例のメリットの一つです。
- 非課税限度額を超える部分は、暦年課税(年110万円の基礎控除)または相続時精算課税のどちらかで課税関係を整理します。組み合わせ方は税理士に確認してください。
- 資金を受け取る時期と住宅の取得・入居の時期の両方が要件にかかわります。引渡しが年をまたぐ新築マンションなどでは、贈与の年と期限の関係を特に注意して確認します。
- 住宅ローン控除を併用する場合は、控除額の計算で援助を受けた額との調整が必要になることがあります。2026年入居の住宅ローン控除は「住宅ローン控除(2026年入居)の要点——省エネ基準が前提になった新築、拡充された中古」で整理しています。
当社では、住まいの購入のご相談で親御さんからの援助を予定されている場合、物件の登記面積や築年、引渡し時期が特例の要件に合うかを、契約前に一緒に確認しています。
特例の適用可否や申告の方法は、税理士または所轄の税務署にご確認ください。

