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区分マンションの売却で見られるところ——管理状況・修繕積立金・管理規約・重要事項調査報告書

区分マンションの売却で見られるところ——管理状況・修繕積立金・管理規約・重要事項調査報告書

マンションの一室を売るとき、買主は部屋そのものと同じくらい、建物全体の管理を見ています。重要事項説明で説明される項目、修繕積立金の見られ方、管理規約、管理会社が発行する調査報告書の準備を整理します。

マンションの一室(区分所有建物)を売るとき、買主が確認するのは部屋の広さや内装だけではありません。建物全体を区分所有者全員で管理する以上、管理組合の運営と資金の状態が、そのまま将来の負担になるからです。売主として、どこが見られ、何を準備しておけばよいかを整理します。

重要事項説明で説明される項目

区分所有建物の売買では、宅建業法施行規則16条の2により、一般の物件に加えて次の項目が重要事項として説明されます。

項目 内容
敷地に関する権利 所有権・借地権などの種類と内容
共用部分に関する規約 規約(案を含む)の定めがあればその内容
専有部分の利用制限 用途やその他の利用制限(ペット、楽器、民泊、事務所利用など)の規約の定め
専用使用権 バルコニー、専用庭、駐車場など、特定の人だけが使える部分の定め
費用の減免 修繕費や管理費を特定の人だけ減免する規約の定め
修繕積立金 積立ての規約の内容と、既に積み立てられている額
管理費 区分所有者が負担する通常の管理費用の額
管理の委託先 管理会社の名称と所在地
維持修繕の記録 維持修繕の実施状況が記録されている場合はその内容

これらの情報の多くは売主の手元にはなく、管理組合や管理会社が持っています。そこで使われるのが、次の「重要事項調査報告書」です。

重要事項調査報告書

仲介する不動産会社が、管理会社に依頼して取り寄せる書類です。法律で様式が決まっているものではありませんが、一般に次のような情報がまとめられています。

  • 管理費・修繕積立金の月額と、その住戸の滞納の有無
  • 管理組合全体の修繕積立金の残高、借入れの有無
  • 大規模修繕の実施履歴と予定、値上げの予定
  • 管理形態(委託の範囲、管理員の勤務形態)
  • 規約上の制限や、総会で議論中の事項

発行に費用がかかることがあり、取り寄せに日数がかかる場合もあります。売り出しの前に取り寄せておくと、買主からの質問に早く答えられ、契約の段取りも進めやすくなります。

修繕積立金はどう見られるか

買主が気にするのは、月々の額の高い・安いよりも、将来の値上げや一時金の可能性です。

国土交通省は2024年6月にガイドラインを改定し、修繕積立金の積立方式について考え方を示しています。

  • 計画期間中の積立額を一定にする均等積立方式が、将来にわたって安定的に積み立てる観点から望ましい方式とされています
  • 当初の額を抑えて段階的に引き上げる段階増額積立方式では、予定どおり引き上げられずに不足するおそれがあるとされ、均等積立方式の額を基準として、初期の額は0.6倍以上、最終の額は1.1倍以内とする考え方が示されています

売主としては、長期修繕計画と直近の総会資料を手元に用意し、値上げや大規模修繕の予定を事実として説明できる状態にしておくことが大切です。不利に見える情報でも、隠すより、計画と資金の裏づけを含めて示すほうが、買主の判断は早くなります。管理資料の読み方は「中古マンションは「管理」を買う」でも整理しています。

管理規約・使用細則

管理規約は、買主がその部屋で何ができるかを決めます。特に次の点は、買主の用途によって評価が分かれます。

  • ペット飼育の可否と条件
  • リフォームの制限(床材の遮音等級、水回りの移動、工事の申請手続き)
  • 民泊・事務所利用の可否
  • 駐車場・駐輪場の利用方法(空き待ちか、抽選か)

最新の規約・細則と、改正の履歴を揃えておきます。規約の改正が総会で予定されている場合は、その内容も伝えます。

売主自身の確認事項

  • 管理費・修繕積立金の滞納がないか。滞納分は決済時に精算が必要です
  • 専有部分のリフォーム履歴と、管理組合への届出の有無
  • 漏水事故の履歴(自室が原因・被害の両方)
  • 賃貸中の場合は、賃貸借契約の内容と、管理組合への届出
  • 駐車場などを個別に契約している場合、売却後に買主へ引き継げるのか、いったん解約して空き待ちになるのか

引渡しの後は、管理規約で定められた手続きに従い、管理組合・管理会社に所有者の変更を届け出ます。管理費等の引落口座の変更も必要になるため、決済日が決まったら早めに管理会社に連絡します。

部屋の状態と「建物の状態」は別に伝える

室内がきれいでも、建物全体の修繕が遅れていれば、買主は将来の負担を気にします。逆に、室内に古さがあっても、管理がしっかりしていて修繕の計画と資金が整っていれば、評価されやすくなります。部屋の情報と建物の情報を分けて整理して伝えることが、区分マンションの売却では特に大切です。

当社では、売り出し前に管理資料を取り寄せて内容を確認し、買主に伝えるべき点を一緒に整理しています。

法務の個別判断は、弁護士にご確認ください。管理の詳細は、管理組合・管理会社にご確認ください。

参考
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