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貸している土地(底地)をどうするか——地主側の4つの選択肢

貸している土地(底地)をどうするか——地主側の4つの選択肢

借地人に貸している土地は、売ろうとしても買い手が限られます。借地人への売却、同時売却、交換、底地買取業者への売却。それぞれの価格と手取りの考え方を整理します。

先代から引き継いだ土地を、長年他人に貸している。地代は入るが利回りは低く、相続税の評価はしっかり付く——「底地(そこち)」はこうした悩みを抱えやすい資産です。借地人がいる限り地主が自由に使うことはできず、第三者に売ろうとしても買い手がほとんどいません。選択肢を順に見ていきます。

底地の価値はなぜ低いのか

借地権付きの土地は、権利が「借地権(借地人)」と「底地(地主)」に分かれています。路線価図に記載される借地権割合(地域ごとに30〜90%で定められています)は相続税評価のための割合であり、市場の価格そのものではありません。市場での底地・借地権の価格は、契約内容や地代、権利調整の条件などで異なります。

地主側に残る価値は、地代収入の現在価値と、将来の更新料・承諾料、そして「いつか借地権と一体になる可能性」です。第三者が底地だけを買っても使えないため、取引価格は更地価格に比べて大きく下がるのが通常です。地代水準・契約内容・残存期間で変わり、一律の相場はありません。

選択肢1:借地人に売る

一番自然で、最も高く売れる可能性がある相手です。借地人は底地を買えば完全な所有権になり、担保価値・売却しやすさが大きく上がるため、第三者より高い金額を出す理由があります。

  • 価格の目安は「更地価格 ×(1 − 借地権割合)」を起点に交渉。実際はそれより高くも低くもなる
  • 借地人に資金がない場合、分割払いや、一部を交換(次項)と組み合わせる
  • 借地人が高齢で相続が近い場合、相続人側の意向も聞いておく

選択肢2:借地権と一緒に第三者へ売る(同時売却)

地主と借地人が協力して、更地として一体で売り、代金を割合で分ける方法です。更地価格で売れるため、双方の手取りが最も大きくなりやすい選択です。割合は借地権割合を目安に、建物の価値・残存期間・地代水準で調整します。

借地人が「住み続けたい」場合は使えませんが、借地人側も建て替えや相続を考えている場面では、話が合うことがあります。

選択肢3:交換(等価交換)

土地を分筆し、一部を借地人の完全所有に、残りを地主の完全所有にする方法です。お金の移動を抑えつつ、双方が「使える土地」を取り戻せます。所得税の固定資産の交換の特例(同じ種類の資産を交換し、双方が1年以上所有していたなど要件を満たせば譲渡がなかったものとみなす)を使えることがあります。

土地が狭い場合や、形状が悪くなる場合は向きません。分筆・測量・登記の費用がかかります。

選択肢4:底地買取業者に売る

借地人との話が進まない、または早く現金化したい場合、底地を専門に買う業者への売却があります。価格は低くなりますが、地代の集金・更新・承諾といった管理から解放されます。

買主が代わると、借地人との関係は新しい地主が引き継ぎます。地代の増額交渉などが始まることがあるため、長年の借地人との関係を気にする地主は、先に借地人に声をかけるのが筋です。

進める前に整えておくもの

  1. 借地契約書(無い・古い場合は、地代の支払い記録と建物登記で関係を整理)
  2. 契約の種類:旧法借地権か、借地借家法の普通借地権か、定期借地権か。更新の有無と残存期間
  3. 地代の水準(固定資産税・都市計画税の何倍か)と、滞納の有無
  4. 借地人の建物の登記(借地権の対抗要件)、増改築・譲渡の承諾履歴
  5. 測量図・境界(分筆や一体売却では必須)

相続の前に動く意味

底地は、相続税評価(更地評価 ×(1 − 借地権割合))に対して市場価格が低い、評価と実勢の差が大きい資産です。相続後に納税資金が必要になって売ろうとしても買い手がおらず、安く手放す例があります。地主側に時間と交渉力がある相続前に、借地人との話を始めるのが有利です。

当社では、借地人の意向を確認するところから入り、4つの選択肢それぞれで地主の手取りがいくらになるかを並べて検討しています。借地人への声のかけ方も含めてご相談ください。

参考
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