相続した土地や、建物を壊した跡地を「とりあえず駐車場に」している例は多くあります。手間が少なく収入もある一方で、駐車場の土地には固定資産税の住宅用地特例がなく、収益に対して税負担が重くなりがちです。持ち続けるかどうかを、数字で比べます。
駐車場の土地にかかる税
住宅が建っている土地は固定資産税の課税標準が最大6分の1になりますが、駐車場(更地)にはこの特例がありません。同じ土地でも、住宅を壊して駐車場にした翌年から土地の固定資産税が数倍になることがあります。都市計画税も同様です。
名古屋市の中心部に近い土地では、駐車場収入から固定資産税・都市計画税を引くと手残りがわずか、というケースは珍しくありません。
4つの出口を同じ表で比べる
| 月極駐車場 | コインパーキング(事業者に一括貸し) | 売却 | 建築(賃貸住宅・店舗など) | |
|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 舗装・ライン程度 | 事業者負担が多い | 測量・解体(残置物)程度 | 建築費(大きい) |
| 収入 | 台数×月額。空きが出やすい | 固定賃料または売上連動。立地次第 | 一括の売却代金 | 賃料収入。空室・修繕のリスク |
| 固定資産税 | 特例なし | 特例なし | なくなる | 住宅なら特例あり |
| 手間 | 募集・契約・滞納対応 | ほぼなし | なし | 管理会社委託が一般的 |
| 将来の自由度 | 高い(すぐやめられる) | 契約期間に縛られる | なし | 低い(建物がある) |
| 向く場合 | 近いうちに使う予定がある | 都心・駅近で需要が確実 | 使う予定がない、相続で分ける必要がある | 立地が良く、賃貸需要と長期保有の意思がある |
判断のための数字
- 現在の手残り:駐車場収入 − 固定資産税・都市計画税 − 管理費・修繕 − 所得税
- 土地の売却目安:仲介で売る場合と買取の場合
- 建築した場合の収支:建築費と借入、賃料想定、空室率、修繕積立。土地の価値を活かせるか
- 将来の予定:家族が使う、相続で分ける、事業で使う、など
「土地の価値 × 期待利回り」と「現在の手残り」を比べると、駐車場として持ち続けることが、土地の価値に対してどれだけ効率が低いかが見えます。例えば土地の評価が高いのに駐車場収入が年1%程度なら、持ち続ける理由は「将来の予定」以外になくなります。
建築を検討するときの注意
- 用途地域・建ぺい率・容積率・高さ制限で、建てられる規模が決まる
- 周辺の賃貸需要(ワンルームか、ファミリーか、店舗か)を実際の募集状況で確認する
- 建築費の見積りは複数取る。「相続税対策」だけを理由にした建築は、空室が出たときに苦しくなる
- 借入は法定耐用年数と年齢で期間が決まる。返済後の手残りを必ず試算する
売却を選ぶ場合
- 駐車場の契約者には、売却に伴う解約の通知が必要。月極は契約書の解約条項(通常1〜3か月前)を確認
- コインパーキングの一括賃貸は、中途解約の条件(違約金)を確認してから売却時期を決める
- 更地なので境界と越境の確認は比較的容易。測量図がなければ確定測量を
当社では、駐車場の土地について「持つ・貸す・売る・建てる」の4案を同じ表で比較し、売却の場合は仲介と買取の両方の目安をお出ししています。

