老後の住まいや資金を考えるとき、「家は持ち続けたまま、自宅の価値を資金に換えたい」という希望に応える方法がリバースモーゲージです。自宅を担保にお金を借り、生きている間は利息のみを支払うなどして、元金は亡くなった後に自宅を売却するなどして返します。所有権を手放さずに住み続けられる点で、自宅を売って借りるリースバックとは仕組みが根本的に異なります。
基本の仕組み
- 自宅(土地・建物)を担保に、金融機関などから借り入れる
- 存命中は、利息のみを支払う(支払いの方法は商品によって異なります)
- 契約者が亡くなった後、相続人が一括で返済するか、担保の自宅を売却した代金で返済する
借入れの方法や使い道の制限も、商品によって異なります。
主な種類
名古屋市は、高齢者向けの住宅担保融資として次の制度を紹介しています。
| 制度 | 実施 | 概要 |
|---|---|---|
| 民間金融機関のリバースモーゲージ | 各金融機関 | 商品ごとに年齢・使途・対象物件の条件が異なる |
| リ・バース60 | 住宅金融支援機構の保険を活用した、提携金融機関の商品 | 住宅の建設・購入、リフォームなど住宅関連の資金向け |
| 不動産担保型生活資金 | 社会福祉協議会(生活福祉資金貸付制度) | 低所得の高齢者世帯に、居住用不動産を担保として生活費を貸し付ける。名古屋市では各区の社会福祉協議会が窓口 |
リ・バース60の概要
住宅金融支援機構の公表内容(2026年10月時点)では、主な特徴は次のとおりです。
- 年齢:満60歳以上が基本。満50歳以上60歳未満も利用できますが、融資限度額は低くなります
- 資金使途:住宅の建設・購入、リフォーム、住宅ローンの借換え、サービス付き高齢者向け住宅の入居一時金など。生活資金や投資用物件の取得には使えません
- 返済:毎月は利息のみ。元金は、契約者が亡くなった後に、相続人による一括返済か、担保物件の売却代金で返済します
- 融資限度額:担保評価額に対する一定割合で、上限額も定められています
- ノンリコース型とリコース型:ノンリコース型は、売却代金で返しきれなくても相続人は残りの債務を返す必要がありません。リコース型は、残りを相続人が返済します。申込みの大半がノンリコース型とされています
- 金利・条件:取扱金融機関ごとに異なります
ノンリコース型で返しきれなかった債務が免除された場合、その免除益が所得税などの課税対象となる可能性がある点も、機構が注意として示しています。
注意点
- 金利の変動:変動金利の場合、金利の見直しで毎月の利息の支払額が変わります
- 担保評価の変動:不動産の価格が下がると、借りられる額や、最終的に返せる額に影響します
- 対象物件:戸建てかマンションか、地域、築年数などで、利用できる商品が限られることがあります
- 相続人との関係:自宅は最終的に返済に充てられるため、相続人が自宅を引き継ぐ前提とは両立しにくい面があります。事前に家族と話し合っておくことが大切です
リースバックとの違い
| リバースモーゲージ | リースバック | |
|---|---|---|
| 所有権 | 自分に残る(担保に入る) | 事業者に移る |
| 住み続けられるか | 原則として住み続けられる | 賃貸借の期間・条件による |
| 毎月の支払い | 利息など(商品による) | 家賃 |
| 資金使途 | 商品により制限あり(リ・バース60は住宅関連) | 制限なし(売却代金) |
| 固定資産税 | 自分で負担 | 所有者(事業者)が負担 |
| 亡くなった後 | 自宅の売却や相続人の返済で清算 | 賃貸借の扱いを契約で確認 |
リースバックの仕組みと注意点は「自宅のリースバック」で解説しています。どちらも、自宅を通常どおり売却して住み替える場合や、住み替えの順番を工夫する場合と比べて検討するのが基本です。
当社では、自宅の資金化をご検討の方に、売却した場合の価格の目安や住み替えの選択肢を整理し、金融機関の商品と比べる材料をお出ししています。
融資の条件は各取扱金融機関に、税務や相続の個別判断は税理士・司法書士にご確認ください。

