「非公開物件」という言葉は、魅力的に聞こえる反面、仕組みが分かりにくいものです。なぜ市場に出ないのか、どこまでが正当な非公開なのか、案内を受けるために何が必要かを整理します。
市場に出ない物件がある理由
収益物件や事業用不動産では、売主が公開を望まないケースが少なくありません。
- 入居者・テナントへの配慮:売却活動が知られると、退去や賃料交渉につながることがある
- 取引先・従業員への配慮:事業用の建物や本社ビルでは、売却の噂が事業に影響する
- 相続・事業承継の途中:家族や関係者の間で方針が固まる前に、特定の買い手にだけ打診したい
- 価格を探りたい:広く公開して値崩れさせる前に、確度の高い買い手の反応を見たい
こうした物件は、売主の同意の範囲で、条件が合いそうな買い手にだけ個別に案内されます。これが本来の「非公開」です。
「囲い込み」との違い
一方で、媒介契約を結んだ不動産会社が、他社からの問い合わせを断って自社だけで買主を見つけようとする行為は「囲い込み」と呼ばれ、売主の利益を損なうとして問題になってきました。
2024年6月の宅地建物取引業法施行規則の改正により、2025年1月1日から、専任媒介・専属専任媒介で指定流通機構(レインズ)に登録した物件は、取引状況を「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」のいずれかで登録することが義務になりました。事実と異なる登録は、宅建業法上の指示処分の対象とされています。
つまり、売主の意思による非公開と、不動産会社の都合による囲い込みは別物です。当社が案内する非公開物件は、売主の同意を得たものに限り、その記録を残しています。
案内を受ける側に必要な準備
非公開物件は、公開物件と比べて検討の時間が短く、買い手側の準備が結果を分けます。
- 条件の明確化:価格帯・エリア・種別・利回りの目安・時期。「良いものがあれば」だけでは、案内の優先順位は上がりません
- 資金計画:現金か融資か、融資なら金融機関の目処があるか。金融機関が決まっている買い手は、売主からの信頼が高くなります
- 購入主体:個人・法人・資産管理会社のどれで買うか。法人設立を予定している場合は、その時期
- 判断の速さ:資料を受け取ってから、現地確認・買付の意思表示までの目安を決めておく
- 守秘:受け取った資料を第三者に渡さないこと。これが守られない買い手には、次の案内が来なくなります
案内の頻度は約束できない
条件に合う物件がいつ出るかは、売主の事情次第です。登録後にすぐ案内があることもあれば、半年以上ないこともあります。当社では、条件に合わない物件を無理に案内することはせず、合う物件が出たときにだけご連絡します。
当社の投資家登録では、上記の条件と資金計画を登録いただき、担当者が条件を確認したうえでご案内します。

