収益物件の売却では、売主の事情(相続・法人の決算・入居者への配慮)から、ポータルサイトに出さずに限られた買主にだけ紹介される案件があります。こうした物件は、売主側の仲介会社が「この人なら決められる」と判断した投資家から順に届きます。声がかかる側になるために、何を整えておけばよいかをまとめます。
1. 条件を一枚で言えるようにしておく
紹介する側が最初に見るのは、「この投資家に合うか」です。次の項目を書面にして渡せる状態にしておくと、該当する案件が出たときに真っ先に思い出してもらえます。
- 種別(一棟レジデンス、オフィス、店舗、土地、区分)
- エリア(市・区・駅までの距離)
- 価格帯と、利回りの下限(表面か実質か)
- 築年・構造の許容範囲(旧耐震は不可、RC のみ、など)
- 保有の目的(長期保有、短期転売、建て替え、自社利用)
- 「これだけは避けたい」条件(借地、共有、再建築不可、特定の用途)
条件が広すぎると「全部送る相手」になり、狭すぎると「該当なし」になります。優先順位を付けて伝えるのが実務的です。
2. 資金の裏付けを示せるようにしておく
非公開案件は、売主が「確実に・早く・静かに」売りたい場面が多いため、買主の資金力が価格と同じくらい重視されます。
- 現金購入なら、残高証明や預金の写し(必要なときに出せる状態)
- 融資利用なら、取引のある金融機関と、過去の融資実績・概算の融資可能額
- 法人なら、直近の決算書と会社概要
「融資がつけば買う」という状態の投資家より、「この金融機関に事前相談済みで、過去にこの規模の融資実績がある」と言える投資家のほうが、声がかかります(本審査の承認とは別です)。
3. 判断の速さと、誰が決めるかを明確に
非公開案件は、情報を受け取ってから数日以内に「検討する/しない」の返事を求められることが多いです。
- 社内・家族内で最終決定する人は誰か、どれくらいで返事ができるか
- 現地確認・資料確認のために空けられる日
- 買付(購入申込)を出す際の条件(融資特約の有無、手付の額、引渡し時期の希望)
返事が遅い、条件が後から変わる投資家には、次の案件は回りにくくなります。
4. 秘密保持の姿勢
非公開案件の情報を、他の不動産会社や投資家仲間に横流しすると、売主の意図(静かに売りたい)が崩れ、紹介元との関係も終わります。資料を受け取ったら、自分の検討のためだけに使い、金融機関や税理士など第三者に見せる場合は紹介元の了解を得ることが、次の案件を受け取る前提です。
5. 「買わない理由」を伝える
検討して見送るときも、「利回りが足りない」「エリアが違う」「修繕の負担が重い」と理由を伝えると、紹介側は次の案件を絞り込めます。無言で流す投資家には、だんだん情報が届かなくなります。
紹介側から見た「良い投資家」
価格を一番高く出す人、ではありません。条件が明確で、資金が確かで、返事が早く、情報を扱える人です。この4つが揃うと、売主にも「この買主なら安心」と説明でき、公開前に話を進める理由になります。
当社の投資家登録は、この一枚(条件・資金・判断体制)をお預かりする仕組みです。該当する案件が出たときに、登録内容に合う方から順にご連絡します。登録だけで売り込みの連絡をすることはありません。
