マンションを探し始めると、多くの方が「新築か中古か」で迷います。価格の差に目が行きがちですが、実際には購入前に確かめられる情報の量、管理の実績、税制の扱いにも違いがあります。どちらが良いかではなく、何を比べればよいかを整理します。
「見て買える」か「完成前に買う」か
新築マンションの多くは、完成前に図面・モデルルームで契約し、竣工後に引渡しを受けます。中古は実物を見てから契約します。
| 比べる点 | 新築 | 中古 |
|---|---|---|
| 住戸の確認 | 図面・モデルルーム中心 | 実物、眺望、日当たり、騒音を確認できる |
| 引渡しまで | 竣工まで長いことがある | 契約から比較的短期間で引渡しを受けられる |
| 住人・管理 | これから形成される | 既存の住人と管理の実績がある |
| 売主 | 不動産会社(事業者) | 個人のことが多い |
| 設備・仕様 | 最新の仕様 | 年数に応じた劣化、リフォームの要否 |
新築は契約から入居までの期間が長くなることがあり、その間に金利や家族の状況が変わる可能性も考えておきます。
管理の実績——中古は「記録」を読める
マンションの価値は、建物そのものと同じくらい管理で決まります。中古なら、管理組合の総会議事録、長期修繕計画、修繕積立金の残高、過去の大規模修繕の履歴、管理費・修繕積立金の滞納状況を確認できます(読み方は「中古マンションは「管理」を買う」)。
新築では、これらはまだ存在しません。代わりに次の点を確認します。
- 長期修繕計画案と、修繕積立金の将来の値上げ予定(段階増額方式か)
- 引渡し時に一括で支払う修繕積立基金の有無と額
- 管理会社と管理形態(常駐か巡回か)、管理規約案の内容
新築時の修繕積立金は低めに設定され、年数とともに引き上げられる計画になっていることがあります。月々の負担は、将来の改定後の額で比べるのが公平です。
引渡し後の保証——売主が事業者か個人か
新築住宅の売主には、住宅品質確保法により、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分について、引渡しから10年間の瑕疵担保責任が義務付けられています(期間を短くする特約はできません)。加えて、売主独自のアフターサービス基準で、設備や内装の不具合に一定期間対応する例が一般的です。
中古マンションで売主が個人の場合、契約不適合責任の期間が短く定められたり、免責とされたりすることがあります。中古を選ぶときは、次の点で補います。
- 契約書の契約不適合責任の範囲と期間を確認する
- 建物状況調査(インスペクション)の有無と結果を確認する
- 給排水管・給湯器など、交換時期が近い設備の年数を把握しておく
- 共用部分の不具合は、管理組合の修繕計画のなかで対応されるかを確認する
価格以外のお金——消費税と諸費用
- 消費税:新築は事業者が売主のため、建物部分に消費税がかかります(土地には消費税がかかりません)。中古で売主が個人の場合、建物にも消費税はかかりません
- 仲介手数料:新築を売主から直接買う場合はかからないことが多く、中古は仲介会社を通すと手数料がかかります
- リフォーム費用:中古は購入後の改修費を予算に入れて比べます
税制の違い
主な違いは次のとおりです(2026年10月時点)。
| 項目 | 新築 | 中古 |
|---|---|---|
| 登録免許税(建物) | 所有権保存登記:本則0.4%→軽減0.15% | 所有権移転登記:本則2%→軽減0.3% |
| 不動産取得税(建物) | 一定の床面積要件を満たせば課税標準から1,200万円控除 | 新築時期に応じた額を控除(耐震基準などの要件あり) |
| 固定資産税 | マンション等は5年間、税額を2分の1に減額 | 新築時の減額は終わっている |
| 住宅ローン控除 | 省エネ性能の区分で借入限度額が変わる。省エネ基準を満たさない新築は原則対象外 | 区分により限度額が変わる。築年・耐震の要件あり |
登録免許税の住宅用家屋の軽減は2027年3月31日まで、新築住宅の固定資産税の減額は2031年3月31日までが適用期限とされています。住宅ローン控除の詳細は「住宅ローン控除(2026年入居)の要点」を参照してください。
中古は築年や耐震性によって、登録免許税・不動産取得税・住宅ローン控除の軽減が受けられるかどうかが変わります。耐震基準に適合することの証明が必要になる場合もあるため、契約前に確認しておきます。
比較するときの考え方
- 立地・広さが同じ条件で、新築と中古の総費用(価格+諸費用+将来の修繕積立金+リフォーム費)を並べる
- 税制の軽減を差し引いた実質的な負担で比べる
- 中古は管理の記録、新築は修繕計画と積立金の改定予定を読み、10年後・20年後の負担を見通す
- 将来売る可能性があるなら、管理状態と立地が売りやすさを左右することを念頭に置く
当社では、新築・中古を問わず、候補物件の総費用と管理・修繕の見通しを同じ物差しで並べて、ご判断の材料をお渡ししています。
税制の適用可否は、税務署・県税事務所または税理士にご確認ください。

