土地は「広さと価格」で比べたくなりますが、建てられる家の大きさと費用を決めるのは、用途地域・接道・インフラの3点です。契約前に必ず確認します。
1. 用途地域——何を、どのくらい建てられるか
都市計画法で定められた13種類の用途地域ごとに、建てられる建物の用途と規模が決まります。住宅用地で主に関わるのは次のあたりです。
| 用途地域 | 特徴 |
|---|---|
| 第一種・第二種低層住居専用地域 | 低層住宅中心。高さ制限(10m/12m)があり、落ち着いた環境。店舗は限定的 |
| 第一種・第二種中高層住居専用地域 | 中高層の住宅が中心。病院・大学なども可 |
| 第一種・第二種住居地域、準住居地域 | 住宅のほか、店舗・事務所・ホテルなども立地できる。幹線道路沿いに多い |
| 近隣商業地域・商業地域 | 商業施設が中心。建ぺい率・容積率が高く、住宅も建てられる |
| 準工業地域 | 工場と住宅が混在。住宅は建てられるが周辺環境の確認が必要 |
あわせて建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)と容積率(敷地面積に対する延床面積の割合)、高さ制限・斜線制限・日影規制を確認します。同じ60坪でも、用途地域によって建てられる床面積は大きく変わります。名古屋市の用途地域は市の都市計画情報で確認できます。
2. 接道——建築できる土地かどうか
建築基準法では、建物の敷地は幅員4m以上の道路に2m以上接している必要があります(接道義務)。これを満たさない土地には、原則として建物を建てられません。
- 42条2項道路(みなし道路):幅4m未満でも、昔からある道で指定されたものは道路扱いになります。ただし、道路の中心線から2m後退(セットバック)した線が道路境界とみなされ、後退部分には建物を建てられず、敷地面積にも算入できません
- 私道・位置指定道路:所有者や通行・掘削の承諾の要否を確認します
- 旗竿地(路地状敷地):通路部分の幅が2m以上あるか、名古屋市の条例でさらに条件がないかを確認します
接道に問題がある土地は、価格が安く見えても、再建築できない・工事車両が入らない・融資がつきにくい、といった制約があります。
3. インフラ——引き込みの有無と費用
- 上水道:前面道路の本管の有無と、敷地への引き込み管の口径。古い引き込み管は交換が必要なことがあります
- 下水道:公共下水か浄化槽か。下水道が未整備なら浄化槽の設置費用がかかります
- ガス:都市ガスの本管があるか、プロパンか
- 電気・通信:引き込み柱の要否、光回線の提供エリア
引き込み工事は数十万円から、場合によってはそれ以上かかります。土地価格に上乗せして考えると、割安に見えた土地が割高になることもあります。
そのほか、契約前に見ておくもの
- 境界:確定測量図があるか。境界標が現地にあるか。隣地との越境物
- 地盤・ハザード:ハザードマップ(浸水・土砂災害・液状化)、地盤調査の要否
- 古家の有無:解体費用と、解体後の滅失登記。古い家が建っているほうが固定資産税は安い(住宅用地の特例)ため、解体時期も計画に入れます
- 埋設物・擁壁:擁壁の高さと検査済証、井戸・浄化槽・旧基礎などの埋設物
土地から建てる流れ
- 予算の全体像を決める(土地+建物+諸費用+外構)
- 建てたい家の規模から、必要な建ぺい率・容積率・接道を逆算する
- 候補地ごとに上記3点と周辺環境を確認する
- 建築会社と並行して、土地の条件で建てられるかを確認してから契約する
当社では、土地探しの段階から、用途地域・接道・インフラの確認と、建築会社との連携をお手伝いしています。

